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不登校児童生徒の将来と親の不安

コラム
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こんにちは。代表のMaru.です^^


本日のテーマは「将来」という、不登校児童保護者としてはギクッとしちゃう内容に切り込みたいと思います。


親にとって、子供は本当に大切な存在。

だからこそ、将来を案じるがあまりに、今の”不登校”の状態に心配を抱くことは多い。


そこで本日は「将来」というテーマに則して、そこの部分が実際にどうなのか、
文部科学省が行った不登校生徒の追跡調査を基にお話を進めていきたいと思います。


まず、文部科学省は、平成5年と平成18年のそれぞれにおいて当時中学3年生だった不登校生徒を対象に、追跡調査を行っています。

その中で注目したい点は、二点。

まずは…

①中学卒業時の進路

調査結果には下記のように記載されています。以下、抜粋。

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中学校卒業時点での進路状況としては、「就学のみ」が 80.9%と圧倒的に高く、「就学・就業
せず」8.4%、「就業のみ」6.0%、「就学+就業」4.2%と続いている。
「就学のみ」と「就学+就業」を合わせて何らかの形で「就学」していたという回答者は、85.1
%、「就業のみ」と「就学+就業」を合わせて何らかの形で「就業」していた者の比率は、10.2
%となっている。
本調査では、中学卒業時点での進路状況について、前回調査と同じ設問での調査は行っていな
い。類似する調査として、前回調査においては、中学校を卒業時点(4月時点)での就学状況と
就業状況を別個に調査している。その調査結果は、中学校を卒業してすぐに(4月時点)進学し
たと回答した者の比率は調査対象者全体の 65.3%、中学校を卒業してすぐに(4月時点)何か仕
事に就いたと回答した者の比率は調査対象者全体の 28.3%であった。
同一の調査ではないために単純な比較はできないが、中学校卒業時点の「就学」は 65.3%から
85.1%と約 20%増加しており、不登校生徒の高校進学率は確実に向上していると考えられる。
この背景には、前回調査以降、中学校における不登校生徒に対する支援体制が整えられてきた
こと、進学先の高等学校等においても不登校生徒の受入れ体制が整備されてきたことがあると考
えられる。
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ものすごーく簡単にまとめてしまいますと、同一の調査ではないため単純な比較はできないものの
平成5年よりも平成18年のほうが、進学率が約20%向上している”とということが、ここに書かれています。

また、高校へ進学した生徒のうちの中退率は次の通りです。
平成5年対象生徒では約38%、平成18年対象生徒では14%と、中退率が大きく下がっています。


そして次に注目したいポイントは…

②5年後(20歳前後)の状況

平成5年、平成18年、それぞれの対象生徒の5年後の追跡調査です。以下、抜粋。

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調査対象者の 46.7%が現在何らかの学校に就学している一方で、現在就学していない者は 50.4
%となっている。
就学状況としては、「大学」に就学している者の比率が 19.0%で最も多く、次いで「専修学校
(専門学校)・各種学校」が 14.9%となっている。また、「全日制高校」0.3%、「定時制高校」
3.1%、「通信制高校」5.5%と、中学卒業時から5年を経過した時点で「高校」に就学している
者は 8.9%を占めている。
前回調査との比較において、特筆できることとして、現在何らかの学校に就学していると回答
した者が 23.0%から 46.7%と大幅に増加していることである。とりわけ、「大学」については、
6.6%から 19.0%と約3倍に増加している。その他の項目についても、前回調査と比較が可能な
項目については、全ての項目で就学状況に増加傾向がみられる。
問 18 において、中学卒業時点の就学が増加したことを述べたが、それと同様に、不登校を経験
した生徒の大学への進学傾向は確実に強まっている。このことは、高等学校等だけでなく、大学
等においても不登校を経験した生徒の受入れ体制が整備されてきたことを示していると考えられ
る。
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上記の内容をものすごーく簡単にまとめてしまいますと、2回目の調査の方が"20歳時点での就学率が20%以上も向上している"ということです。


①と②で進学率が向上したのは、通信制高校などの進学先の選択肢が大幅に増えたこと、
そして、さらに高校進学率上昇の結果にまさに伴うかたちで、通信制高校から大学などへの就学の道がついたこと、
そういった環境要因が大きいと考えられます。


この結果をみて思うことはただ一つ。

社会の変化や環境というものが、それほどまでも、子供たちの将来(心)に大きな影響を及ぼしているということです。


この調査結果は、平成18~23年。


そこからすでに14年も経ちました。

選択肢は、平成18年よりももっと増えました。

在宅ワークで仕事ができる時代になり、職業の幅だって増えました。


それでも、まだ、親は、子供の将来に不安になります。


学校に行くのが当たり前で、「普通」の枠に入るのが「最善」で、
そういった価値観が漫然とあるから。



だけど、私は敢えて声を大にして言いたい。



「大丈夫」と。




周りから色んな声が聞こえてくるでしょう。

そういう声に辛くなること、たくさんあるでしょう。


「親子と馬」という民話があります。
ご存じない方はぜひ調べてみてください。

どんな選択肢をしたところで、批判しようと思えば、他人はいくらでもできるのです。


子を一番に思う、ご自身の心を信じて前に進んでいくということが、
一番大事なことだと、私は思っています。


そして、子供は、お母さんやお父さんの笑顔が、大好きです。

だれしも笑顔になれないときはありますが、そんなときはご自身の心のケアを優先して、
今しかないお子さんとの貴重な時間を、どうか大切に使っていただけたらと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Maru.


※「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)より引用

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