なぜ今、最先端の中高で「探究」が選ばれるのか? Mirai.αが朝の「コトリタイム」を大切にする理
AIの急速な進化や社会構造の変化に伴い、教育のあり方も大きな転換期を迎えています。
国内外の先進的な中学校・高校では、知識を一方的に覚える授業だけではなく、「PBL(プロジェクト型学習)」や「探究学習」を重視する学校が増えています。
なぜ今、「正解を教わる学び」だけではなく、「自分で問いを持ち、考えを深める学び」が求められているのでしょうか。
そして、なぜMirai.αでは、毎朝の「コトリタイム(朝の会)」で探究的な対話を大切にしているのでしょうか。
今回は、その背景と私たちの想いについてお伝えします。
1.なぜ今、中高で「探究学習・PBL」が重視されているのか
これまでの学校教育では、「用意された正しい答えを、どれだけ正確に身につけられるか」が重視される場面が多くありました。
もちろん、基礎的な知識を身につけることは、これからも大切です。
一方で、変化が激しく、将来を予測することが難しい時代においては、知識を持っていることに加えて、その知識を使って自分なりに考える力がますます重要になっています。
① 「答えのない問い」に向き合う力が必要だから
AIを使えば、膨大な情報を短時間で検索し、整理することができるようになりました。
だからこそ、これから一層重要になるのは、
- 「そもそも何が問題なのだろう?」
- 「自分はどう考えるのだろう?」
- 「異なる考えを持つ人と、どうすればより良い答えをつくれるだろう?」
と問い続ける力です。
課題を見つけること。
自分の意見を持つこと。
その理由を言葉にすること。
異なる意見を受け止め、対話しながら考えを更新すること。
こうした力は、変化の大きな社会を生きていくうえで欠かせないものになっています。
② 主体性や、数値だけでは測りにくい力を育てるため
誰かから与えられた内容を覚えるだけでは、子どもの「もっと知りたい」「やってみたい」という気持ちが生まれにくいことがあります。
一方、探究学習やPBLでは、自分の興味や疑問を出発点にして、調べたり、考えたり、試したり、失敗したりしながら学びを進めます。
その過程では、
- 自分で考えて行動する力
- うまくいかなくても試行錯誤する力
- 自分の考えを振り返る力
- 物事をさまざまな角度から見る力
- 他者と協力する力
など、テストの点数だけでは表しにくい力も育まれていきます。
こうした力は、学校生活だけでなく、その先の社会で自分らしく生きていくための土台になります。
③ 大学入試や社会で求められる力も変化しているから
大学入試では、総合型選抜や学校推薦型選抜などを通して、学力だけでなく、これまで何を考え、何に取り組み、そこから何を学んだのかを自分の言葉で伝える力が問われる機会が増えています。
社会に出てからも同様です。
- 自ら課題を見つける
- 自分の考えを説明する
- 周囲と協力して新しい価値をつくる
といった力が求められています。
探究学習は、単なる入試対策ではありません。
自分で問いを持ち、生涯にわたって学び続けるための土台をつくる学びだと、私たちは考えています。
2.なぜMirai.αは毎朝「コトリタイム」を行うのか
「探究学習」や「PBL」と聞くと、
- 数か月かけて研究をする
- 大勢の前でプレゼンテーションをする
といった、大掛かりな活動をイメージされるかもしれません。
しかし、その土台にあるのは、もっと日常的な力です。
自分なりに考えること。
考えを言葉にすること。
他者の考えを聞くこと。
Mirai.αでは、この「探究の最小単位」を毎日の習慣にするために、朝の「コトリタイム」を大切にしています。
コトリタイムでは、どんなことをするの?
例えば、「自動運転の車」をテーマにしたとします。
① テーマに触れ、世の中を知る
「自動運転の車が発売されるらしいよ」
そんなニュースや、子どもたちの身近な話題をきっかけに、まずは新しい情報や考え方に触れます。
② 自分の意見を考える
次に問いかけます。
- 「自動運転の車に乗ってみたい?」
- 「乗ってみたいとしたら、なぜ?」
- 「ちょっと怖いとしたら、何が怖い?」
正解はありません。
大切なのは、「自分はどう思う?」と自分自身に問いかけてみることです。
③ 他者の考えに出会う
自分の考えを持った後は、仲間の意見を聞きます。
- 「安全そうだから乗ってみたい」
- 「機械に任せるのは少し怖い」
- 「お年寄りには便利そう」
- 「事故が起きたとき、誰が責任を取るんだろう?」
同じテーマでも、考え方は人によって異なります。
「自分とは違うけれど、それも分かる」
という気づきが、子どもたちの視野を少しずつ広げていきます。
④ 次の問いへ広げる
そして最後に、
- 「じゃあ、未来にはどんな乗り物があったらいい?」
- 「車が全部自動運転になったら、街はどう変わる?」
と、さらに問いを広げていきます。
誰かから与えられた問いに答えるだけではなく、そこから自分たちで新しい問いを生み出していく。
この積み重ねが、探究する力につながっていきます。
朝の20分は「思考のウォーミングアップ」
いきなり、
「社会課題について考えてみよう」
「あなた自身の意見を発表してください」
と言われたら、大人でも身構えてしまうことがあります。
しかし、
「自動運転の車、乗ってみたい?」
という身近な問いなら、どうでしょうか。
「乗りたい」
「怖いから嫌だ」
「ちょっとだけ乗ってみたい」
どんな答えでも構いません。
まずは、自分なりの考えを持ってみる。
そこから少しずつ、「なぜそう思ったの?」と理由を考えていきます。
Mirai.αでは、この小さな経験を毎朝繰り返しています。
このサイクルを日常の中で重ねることで、子どもたちは少しずつ、
- 「正解が分からなくても、まず考えてみよう」
- 「自分と違う意見も聞いてみよう」
- 「自分はこう思う。なぜなら……と伝えてみよう」
と思えるようになっていきます。私たちが育てたいのは、まさにこうした「思考のフットワークの軽さ」です。
特に大切にしているのは、「否定されない安心感」
一方で、こうした取り組みは、すべての子どもにとって最初から簡単なものではありません。
特に、これまでの学校生活の中で、
- 「正解を言わなければいけない」
- 「間違えたら恥ずかしい」
- 「みんなと違うことを言ったらどう思われるだろう」
という経験を重ねてきた子どもにとって、「自分の意見を話す」ということ自体が高いハードルになっている場合があります。
不登校を経験しているお子さまの中にも、そうした不安を抱えている子は少なくありません。
だからこそMirai.αでは、コトリタイムにおいて、
ことを何よりも大切にしています。
「それは違うよ」と切り捨てるのではなく、
「そういう考え方もあるんだね」
「どうしてそう思ったの?」
と、一つひとつの意見を受け止める。
その安心感があるからこそ、少しずつ子どもたちは「自分の考えを出しても大丈夫なんだ」と感じられるようになります。
「話す」だけが参加ではありません
コトリタイムでは、声に出して発言することだけを「参加」と考えているわけではありません。
チャットに自分の考えを書き込む。
誰かの意見にリアクションを送る。
ほかの子の話を聞きながら、自分の中で考える。
それも立派な参加です。
最初から全員が積極的に話せる必要はありません。
その子なりの方法で場に参加しながら、
- 「今日はリアクションができた」
- 「今日はチャットに一言書けた」
- 「今日は自分の声で話せた」
と、一歩ずつ経験を重ねていくことを大切にしています。そして、否定されない経験が積み重なるにつれて、「自分の意見を表現すること」そのものへの抵抗感も、少しずつ薄れていきます。
変化の激しい未来を、自分らしく歩むために
Mirai.αの「コトリタイム」は、単なる朝の連絡時間でも、雑談の時間でもありません。
子どもたちがこれから、どんな時代や環境に出会ったとしても、
自分で選ぶ。
自分の考えを伝える。
他者の考えに耳を傾ける。
そして、仲間と一緒により良い答えをつくっていく。
そのための「探究マインド」を育てる、毎日の小さなトレーニングです。
大きな探究活動も、その始まりは小さな問いです。
「自分はどう思う?」
そんな問いに安心して向き合い、正解のない問いを楽しめるようになること。
その小さな習慣の積み重ねが、やがて子どもたちが自分らしく未来へ羽ばたいていくための、大きな力になる。
Mirai.αは、そう信じています。

